平成20年4月の高齢者医療制度

○ 新しい後期高齢者医療制度が始まります
<後期高齢者医療制度>
 これまでの「老人保健制度」が廃止され、75歳以上の方(65歳以上で一定の障害認定を受けた方を含みます。)を対象とした、独立した「後期高齢者医療制度」が始まりました。
 75歳以上の組合員と被扶養者(任意継続組合員とその被扶養者を含みます。)は全員、共済組合の医療保険制度(短期給付)の資格を喪失し、個人単位で「後期高齢者医療制度」の加入者となりますので、今まで被扶養者で保険料が不要だった方も健康保険料(注)を負担することになります。
 また、75歳以上の組合員(任意継続組合員を含みます。)に75歳未満の被扶養者がいる場合は、共済組合の被扶養者の資格を喪失しますので、75歳になるまでは「国民健康保険」に加入することになります。
(注) 後期高齢者医療制度に加入する75歳以上の被扶養者の保険料について平成20年4月から9月までの6ヵ月間は無料平成20年10月から21年3月までの6ヵ月間は被保険者均等割が9割軽減された額になります。
   平成18年の制度改正で、被用者保険の被扶養者の方については、後期高齢者医療制度の被保険者となった日の属する月から2年間、被保険者均等割を5割軽減することとされていますが、今回の措置はそれに加えて行うものです。
<対象者>
 75歳以上の方(65歳以上で一定の障害認定を受けた方を含みます。)で、後期高齢者医療の被保険者になる日の前日(平成20年3月31日または75歳の誕生日の前日)において被用者保険(※)の被扶養者となっている方
(※) 政府管掌健康保険や、企業の健康保険、公務員の共済組合等、いわゆる「サラリーマン」の健康保険であり、国民健康保険は該当しません。
[例1] 共済組合の組合員 Aさん(76歳)
Aさんの被扶養者  Bさん(75歳)
 →  後期高齢者医療制度に加入
 →  後期高齢者医療制度に加入
[例2] 共済組合の組合員 Cさん(75歳)
Cさんの被扶養者  Dさん(73歳)
 →  後期高齢者医療制度に加入
 →  国民健康保険に加入
[例3] 共済組合の組合員 Eさん(55歳)
Eさんの被扶養者  Fさん(75歳)
 →  共済組合(変更なし)
 →  後期高齢者医療制度に加入
⇒ 「後期高齢者医療制度」の詳しい内容はこちら
<前期高齢者医療制度>
 これまでの「退職者医療制度」が廃止(注)され、「前期高齢者医療制度」が始まりました。
 対象者は65歳から74歳までの方(後期高齢者医療制度の対象となる一定の障害認定を受けた方は除きます。)で、これまでの医療保険(国民健康保険・被用者保険)に加入したまま「前期高齢者医療制度」に加入することになります。
 ですから、65歳から74歳までの組合員及び被扶養者の方は、引き続き、共済組合から医療給付を受けることになります。
前期高齢者医療制度とは・・・
 前期高齢者に該当する方の約8割が国民健康保険に加入しています。
 前期高齢者医療制度は、加入者の偏在による国民健康保険と被用者保険(共済組合等)との間の医療費負担の不均衡を是正するために、それぞれの加入者数に応じて財政調整を行う制度です。
 前期高齢者の加入率の高い国民健康保険は調整金を受け取り、前期高齢者の加入率の低い被用者保険(共済組合等)は調整金を拠出することになります。
(注)退職者医療制度の経過措置
 新しい高齢者医療制度の創設に伴い、「退職者医療制度」は廃止されますが、平成26年度までは、65歳未満の退職者を対象として経過的に存続します。
○ 70歳から74歳の方の自己負担割合と自己負担限度額が引上げられました
70歳から74歳の方の医療費の自己負担割合が「1割」から「2割」に引上げられ、高額療養費の対象となる自己負担限度額も引上げられました。
改正前
負担区分 自己負担限度額
外来(個人ごと) 入院を含めた世帯全体
1割 一般 12,000円 44,400円
低所得U
(市町村民税非課税)
8,000円 24,600円
低所得T
(低所得Uのうち一定の基準に満たない人)
15,000円
改正後
負担区分 自己負担限度額
外来(個人ごと) 入院を含めた世帯全体
2割
(21年4月〜)
一般 24,600円 62,100円
(44,400円)

*()は1年間に4回以上限度額を超えた場合の額
低所得U
(市町村民税非課税)
8,000円 24,600円
低所得T
(低所得Uのうち一定の基準に満たない人)
15,000円
(注) 平成20年4月から21年3月までの1年間は、自己負担割合が「1割」に据え置かれます。
 また、自己負担限度額も同じく1年間は据え置きとなります。
   平成18年の制度改正で、70歳から74歳の方の自己負担(窓口負担)については、平成20年4月から2割負担に見直されることとされていたものを据え置くものです。
   一定以上所得者(3割負担の方)、後期高齢者医療制度の対象となる一定の障害認定を受けた方は除きます。
○ 乳幼児に対する自己負担割合の軽減措置が拡大されました
 医療費の自己負担が2割に軽減される乳幼児の対象年齢が「3歳未満」から「義務教育就学前」までに引き上げられました。
改正前
3歳未満の子
一部負担(自己負担2割)
 → 
改正後
義務教育就学前までの子
一部負担(自己負担2割)
○ 特定健診と特定保健指導を実施します
 40歳から74歳までの組合員と被扶養者すべてを対象に、特定健診・特定保健指導を実施します。
⇒ 「特定健診・特定保健指導」の詳しい内容はこちら
○ 食費・居住費を自己負担することとなる療養病床に入院する高齢者の対象年齢が引き下げられました
 療養病床に入院した場合に、食費、居住費の一部を自己負担する方の対象年齢が「70歳以上」から「65歳以上」に引き下げられました。
改正前
70歳以上
(自己負担)
食 費 460円(1食)
居住費 320円(1日)
 → 
改正後
65歳以上
(自己負担)
食 費 460円(1食)
居住費 320円(1日)
○ 高額医療と高額介護の合算制度が始まります
 高額医療費の算定世帯内で、1年間(注1)に「医療保険」と「介護保険」の自己負担を合算した額が一定の限度額を超えた場合は、本人の申請により、限度額を超えた部分が「高額介護合算療養費」として支給されます。
負担区分 自己負担限度額
(医療保険 + 介護保険)
70歳〜74歳のみ 70歳未満を含む
一定以上所得者
(上位所得者)
67万円 126万円
一般 62万円
(注2)
67万円
低所得U
(市町村民税非課税)
31万円 34万円
低所得T
(低所得Uのうち一定の基準に満たない人)
19万円
(注1)  毎年8月から翌年7月まで
 (初回は平成20年4月から21年7月までとなり、自己負担限度額は通常の4/3倍の額になります。)
(注2)  平成20年4月から21年3月までの1年間は、56万円となります。
 (70歳から74歳の方の自己負担割合と自己負担限度額が1年間据え置かれたことに伴う措置です。)

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